ドイツ人バカンス事情:夏休みの人気行き先ベスト10は!?
ドイツは10月に入ってグッと気温が下がり、めっきり秋らしくなってきました。州ごとに時期の異なる学校の夏休みも、一番遅いバーデン=ビュルテンベルク州、バイエルン州も9月上旬に終わり、社会人の皆さんも「夏終わった感」に寂しさを感じるのではないでしょうか?
旅行が大好きなドイツ人にとって1年で一番重要なのが夏休みのバカンス。「バカンスのために仕事をしている」といっても過言ではないくらい、長期で休みを取って旅行に行くことに命をかけている人が多く、世界中どこに行っても高確率でドイツ人旅行者に遭遇します。ドイツは日本に比べて夏(暑い時期)が短いので、この期間に南に行って思いっきり太陽をエンジョイしようと考える人が多いといった印象です。
そこで今回は、2022年にドイツ人の旅行先としてどこが人気を集めていたのか、コロナが猛威をふるっていた2021年・2020年とどう変わったのかを紹介していきます。ちなみに残念ながら、日本はもちろん、アジア諸国(トルコを除く)はドイツ人の人気バカンススポットとしてランクインすることはありませんでした。
今年人気だった旅行先、ランキングトップ10
- 北海、バルト海海岸
- イタリア(シチリア島、サルディーニャ島などを含む)
- バレアレス諸島(マヨルカ島、メノルカ島、イビザ島、フォーメンテラ島)
- トルコ
- カナリア諸島(テネリフェ島、グラン・カナリア諸島、ランサローテ島、フエルテベントゥーラ島など)
- オーバーバイエルン、アルペン、アルゴイ、ボーデン湖
- (同率)オーストリア 、クロアチア、スロヴェニア
- ギリシャ(クレタ島、ロドス島などを含む)
- ドイツ国内
- 東欧諸国(ハンガリー、ブルガリア、スロバキアなど)
※出典:“Wo die Deutschen am liebsten Urlaub machen”(Handelsblatt)
ドイツ人にとってのバカンスの行き先1番人気は、意外にも北、しかもドイツ国内の北海・バルト海沿岸です。ドイツ人というと夏はイタリアやスペインの島、とにかく南の暖かい地域に行くイメージを持たれがちですが、意外にも国内の老舗リゾート地がもっとも人気のあるバカンス先に挙げられています。
北海・バルト海沿岸は気候が温暖で、真夏のイタリアやスペインと比べて過ごしやすいことも人気の秘密のようです。夏の風物詩である、海岸に無数に置かれたStrandkorbの写真を目にしたことがある人も多いのでは?
ドイツ国内からは1位の他に、南部のオーバーバイエルン・アルペン・アルゴイ・ボーデン湖が6位、その他の国内地域が9位として人気の旅行先にランクインしています。国外だと予想どおりのイタリア(本土除く)、「ドイツ人のハワイ」と呼ばれるマヨルカ島を含むスペイン領のバレアレス諸島や大西洋に浮かぶカナリア諸島、トルコが不動の上位となっています。
過去2年間のトップ10と比べてみると…
上位7位までは、多少の順位変動はありつつどの年も変化なし。2021年・2020年と比較して2022年が特徴的なのが、過去2年でトップ10圏外だった「オーストリア」と「ドイツ国内」が7位と10位にランクインしていることです。
約3年間にわたるコロナ禍で、万一旅先でコロナに罹った場合のリスクを考慮して「すぐに帰れる距離」であり、かつ「言葉が通じて医療水準も高い」隣国オーストリアやドイツ国内に行き先をシフトした人が少なくなかったのかもしれません。
2021年のトップ10
- 北海、バルト海海岸
- イタリア(シチリア島、サルディーニャ島などを含む)
- バレアレス諸島(マヨルカ島、メノルカ島、イビザ島、フォーメンテラ島)
- トルコ
- カナリア諸島(テネリフェ島、グラン・カナリア諸島、ランサローテ島、フエルテベントゥーラ島など)
- ギリシャ(クレタ島、ロドス島などを含む)
- オーバーバイエルン、アルペン、アルゴイ、ボーデン湖
- クロアチア、スロヴェニア
- スペイン(本土)
- 東欧諸国(ハンガリー、ブルガリア、スロバキアなど) ・・・・ 11.オーストリア 12.(同率)北欧諸国 12.(同率)ドイツ国内
※出典:VuMA-Berichtsband 2021(PDF)
2020年のトップ10
- 北海、バルト海海岸
- バレアレス諸島(マヨルカ島、メノルカ島、イビザ島、フォーメンテラ島)
- イタリア(シチリア島、サルディーニャ島などを含む)
- トルコ
- カナリア諸島(テネリフェ島、グラン・カナリア諸島、ランサローテ島、フエルテベントゥーラ島など)
- ギリシャ(クレタ島、ロドス島などを含む)
- オーバーバイエルン、アルペン、アルゴイ、ボーデン湖
- クロアチア、スロヴェニア
- スペイン(本土)
- 東欧諸国(ハンガリー、ブルガリア、スロバキアなど) ・・・ 11.オーストリア 12.ドイツ国内
※出典:VuMA-Berichtsband 2020(PDF)
このように、働くときにはしっかりと働き、休暇中はしっかりと羽を伸ばすのがドイツ流の仕事術です。ドイツの有給獲得日数は30日前後と言われており、優れたワークワイフバランスを目指してドイツで就職を志す日本人の数も昨今増えています。