ドイツの日系企業に入社一日目におこなったこと(大手メーカー編)
新卒でも転職でも、仕事初めの一日目は緊張で心臓がどきどきしてしまうことでしょう。ドイツでの就職、転職でも事情は同様で、出社初日はやはり特別です。特に日本と勝手が違うことも多いことから、不安も大きい事でしょう。
今回の記事では、ドイツの大手日系メーカーに就職したSさん30歳(仮名)の体験を元に、日本人にとって人気の就職先である「ドイツの日系企業」に現地就職した場合の最初の一日目の流れを追っていきたいと思います。
大企業への就職
Sさんは日本の某私立大学を卒業後、日本で就職し数年ほど営業を経験しました。大学時代には英語を扱うサークルに在籍していたこともあり、元々海外への興味もあり、その中で経済の中心地として有名なドイツでのキャリアには常日頃から関心を抱いていました。
そんなSさんは、26歳の時に友人の伝手でドイツのドイツ企業に転職することに成功します。英語の素養のあったSさんは、その後現地で語学を鍛錬し、数年かけて見事ドイツ語C1の試験にも合格しました。
ただ、成果主義的なドイツ企業の体質に合わず、30歳を前にして転職活動をおこなうことになります。キャリア的にも語学的にも人事から優秀な評価を得ていたSさんは、日本では誰もが耳にしたことのある大手日系企業メーカーに現地採用として内定を貰うことに成功します。さてここから、内定後、実際にメーカーに出社した際のSさんの一日を追ってみることにしましょう。
出社一日目のスケジュール
傾向として、企業の規模が大きくなればなるほど、現地の市場によりスピーディに対応するため、社員はドイツ人の割合が高まることとなります。必然的に、人事や法務、総務といった内部のポジションには日本語が話せないドイツ人が在籍することとなるでしょう。そのような "ドイツ人同僚" から、会社概要や出退勤のシステムなどを教わるのが、Sさんの一日目の仕事でした。
人事から会社について説明
Sさんの記念すべき出社一日目、改めて同僚に簡単な挨拶を済ませたSさんは、その後人事部より、ドイツ語で以下のような説明やオリエンテーションを受けることとなりました。
- 会社概要の説明
- 昇給の仕組み
- 病欠や遅刻時の対応
- 出退勤のシステム
- 休暇の取り方
- ボーナス
- その他福利厚生など
Sさんの場合ドイツ語ができたためドイツ語で行われましたが、ドイツ語が難しければ英語で説明されるケースも少なくないでしょう。こうした説明を施すドイツ人は優しく、かつ日本人にも説明が通じやすいように平易なドイツ語を用いての会話となったようで、Sさんはリラックスした雰囲気で説明を受けられたようです。
ちなみに、日系企業であろうとも、ドイツに法人登記なされている以上、基本的に有給や残業の規定は現地の労働法に則ることとなります。特に、残業に関してはドイツ人人事はかなり厳格にSさんにアドバイスしたようで、よほどのことがない限り残業をおこなわないことが望ましいと伝えました。
他にも、病欠のとき誰に連絡を入れるべきか、どのような書類を提出すべきか、などとても頭では覚えきれないほどの内容を1時間足らずの間で一気に解説されることとなりました。
自己紹介周り
その後、Sさんは自分が所属する部署のメンバーへの自己紹介をおこなうこととなりました。もちろん、部署のメンバーへの紹介が終わったら、他部門でもコミュニケーションが必要になる可能性のある人へは上司とともに挨拶に向かいます。
ここでも雰囲気は終始穏やかで、部署によっては自分の経歴について突っ込まれたり、握手をしたりという場面もあったようです。また、上司とともに30分ほど社内を回ることになるので、そこで改めて上司の方とのスモールトークがおこなえたとのことです。
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施設紹介
続いてSさんに行われたのは建物内の紹介です。ランチを食べる場所、休憩場所やコーヒーの入れ方、それから駐車場や倉庫などを一通り見て回ることとなりました。またこの際に、カギが手渡されます。
Sさんは正直、前回のドイツ企業の経験から、入社初日には即戦力として多くの業務を割り振られるのではと覚悟をしていましたが、そんなことはなかったようで、総務担当の日本人スタッフによって終始優しく案内を受けたようです。
ランチ
ちょうどこれくらいのオリエンテーションが済んだ頃にランチの時間となりました。Sさんの直属の上司が車で近くのレストランを案内してくれて、同僚も交えてプチ歓迎会が催されたとのこと。Sさんが以前勤めていたドイツの企業ではそこまでアットホームなイベントは無かったため(ドイツでは公私混同を避けるため、ランチを一人で食べに帰ったりすることも少なくない)、日系企業の温かさに感動したとのことです。
部署の人から改めて製品説明
人事の人はあくまで人事専門、総務の人は総務担当と、それぞれ持ち場が異なります。というわけでSさんの場合、穏やかなオリエンテーションが終わった後は担当部署の製品に関して改めて詳しい説明を受けることとなります。
また、この製品説明は一日では終わらないことが多く、実際にSさんの場合も最初の一週間はほぼ製品理解に費やすこととなりました。
メールで関係者に挨拶
夕方ごろ、IT部門の方からパソコンと携帯を渡され、それぞれの使い方の説明と、設定を行います。また、コミュニケーションを取るであろう本社の日本人への挨拶メールもその日のうちに済ませ、ぴったし17時には初日のオリエンテーションが終わるような形になりました。
ということで、Sさんが描いていた「初日から即戦力としてがっつり働く」といったことはおこらず、ほぼ会社見学のような穏やかな雰囲気のまま初日は終えられたとのことです。 日系企業の中でも、社内の規定や設備の使用がしっかりスキームされている会社の場合、このように手厚いオリエンテーションが受けられるようですね。
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