ドイツの営業職って高収入?日本人が就職しやすい営業職種とは

日本では労働人口の10%超を数え、いまだに最も人気の高い職種の一つである「営業職」。ドイツでも同様に、ダイナミックな業務内容と、実力次第では年収100,000€以上も夢ではないという点でもって、性別や年齢を問わず営業は人気職種の一つに数えられています。

さて、そんなドイツの人気職種の営業職ですが、果たしてどのような職務内容なのでしょうか?ドイツにおける平均年収などのデータを合わせ、解説をおこないたいと思います。

ドイツの営業職事情

ドイツ語でVertriebなどと呼ばれる「営業職」ですが、日本の営業職と比較すると販売員というよりも「販売戦略全般に携わる人員」といったニュアンスがより強いかも知れません。すなわち、顧客への販売活動に加え、その背後にある仕入れ、在庫管理、マーケティング、ブランディング、マーケットリサーチなどが度々営業職としての職能に数えられることがあります。

そのため、単にコミュニケーション能力が高く、顧客との折衝が出来ればよいという訳ではなく、商業全般の流れを把握し、目的の数字を導き出せるような戦略眼を持っているような人員が好まれるわけです。そう言った意味では、ドイツの商学部、経営学部、経済学部(BWLやVWLなど)を卒業後、こうした営業職につく割合が高いと言えるでしょう。

また、これとは別に、販売に特化した純粋な「販売員(Verkauf)」としてのキャリアは、職業訓練などを通じて培っていくことも可能です。例えば、スーパーや車のディーラーなどのキャリアステップは、このように職業訓練を通じて形成されていくものが多いと言えるでしょう。

どのような職能、技術が求められるかは会社次第と言えますが、上述のように広範な領域を扱う「Vertrieb」としてのキャリアであれば、以下のようなスキルが必要とされることでしょう。特にドイツ企業の多くが海外ビジネスを展開しており、ドイツ語に加えて英語のスキルはほぼ必須と見なされています。

  • 顧客管理(英語・ドイツ語などでのコミュニケーション)
  • 代理店管理
  • マーケティング・ブランディング
  • マーケット調査
  • 物流の管理(在庫や発送など)

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ドイツ営業職の給与

営業職にも様々な種類があり、どのセグメントで雇用されるかによって給与は大きく変化します。例えば、スポーツショップやケーキ屋さんのような販売店の販売員の給与は年間30,000€程度であるのに対し、保険や金融セグメント、あるいは法人営業としての給与は年間50,000€やそれを上回る、といった形です(参照:Vertrieb und Verkauf Gehälter in Deutschland)。

営業職全体の給与は同上のStepstone調べで年収42,400€となっており、為替にもよりますが日本の営業職の平均値である379万円をゆうに上回ります(参照:求人ボックス)。もっとも、ドイツ企業の給与は「企業の規模」「学位」「職歴」などによって大きく変動するため、平均値通りに受け取れるとはいえない点は注意が必要です。  

日本人がドイツで営業として働くには

さて、広範な業務に触れることができ、給与としても比較的高い値を望めるドイツの営業職ですが、日本人が営業職としてのポジションを得ようとしたらどのような方法があるのでしょうか?

一般的なドイツ企業の営業職のメインターゲットはドイツ企業やその他EU顧客ですが、ここに日本人である我々がアサインされる確率は多いとは言えないでしょう。というのも、こうしたヨーロッパの顧客に関しては、やはりその国のネイティブが当てはめられることが多く、ドイツ語が話せるとはいえわざわざ日本人を雇うメリットがドイツ側に少ないのです。

ドイツ人採用者目線

というわけで、日本人がドイツで営業職のポジションを得るには、以下の2パターンが考えられます。

日本をターゲットとしたドイツ企業

まず、求人としての分母数は多くはないもののドイツ企業にとって日本人を雇う意義があると言えるのは、そのドイツ企業が日本市場や日系の顧客に対しての営業を求めているときです。こうしたポジションは、デュッセルドルフの日本人向けレストランや販売店としての職種以外に、少ないながらドイツ大手企業の日本市場マネージャーのポジションなどが挙げられます。

もっとも、こうした職種にはドイツ中の日本人の応募が殺到するため、その中で内定を勝ち取るのは至難のわざと言えるかもしれません。また、ライバルはドイツ在住の日本人だけでなく、ドイツの大学で日本学を専攻したドイツ人なども含まれます。

ドイツをターゲットとした日系企業

日本人を営業として採用する意義が最も高いと言えるのが、ドイツに進出している日系企業です。在独日系企業と呼ばれるこの企業群は、日本の優れたサービスや製品をヨーロッパ、ドイツに向けて販売しているケースが多く、ドイツやEU諸国と対等に渡り合え、かつ本社とも折衝可能な優秀な日本人営業を求めているのです。

こうした日系企業においては、ドイツ語が話せることが当たり前のマスト要件ではなく、価値のあるアドバンテージと見なされるため、ドイツで商学部を卒業した日本人学生、ドイツ語を習得した日本人などにとって貴重な受け皿となっています。

実際に、ドイツで就職をおこなう日本人の職種内訳としては、営業アシスタント、または営業職であることが多く、日本人としての強みを最大限に生かしやすい職種と言えるでしょう。

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