ドイツ語不要でドイツ就職!日本人向けの求人とは
我々日本人が海外就職を志すとき、言語が就職活動の大きな障壁として挙げられることでしょう。英語圏であればともかく、ドイツのように非英語言語を母国語をする国で就職するためには、ドイツ語の素養がマストなイメージがつきまといます。
実際のところ、こうしたイメージは誤りで、ドイツには数多く「ドイツ語不問」の求人があふれていることをご存じでしょうか?ドイツ語不要で、英語力があれば日本人でも応募しやすいドイツの求人について目を通していきましょう。
ドイツ語不要で応募できるドイツの企業
ドイツ就職の際に、ドイツ語が求める場合が2パターンあります。1つ目は、社内の公用語がドイツ語であるパターン、2つ目は、取引先がドイツ企業であるパターンです。逆に言えば、社内の公用語がドイツ語以外(英語)であったり、ドイツ国外が顧客としてのメインターゲットである場合、ドイツ語が求められる確率はその分低減します。
以下に挙げるいくつかの企業群は、こうした「ドイツ語を必要としない」求人、職種の典型例と言えるでしょう。
ドイツの日系企業
日本人おススメ度・・・★★★★★
上述の「公用語がドイツ語でない」かつ「営業先がドイツ以外」という条件を同時に満たしやすい事で知られるのが、ドイツに進出している日系企業です。外務省調査(2017年度調べ)によれば、ドイツに拠点を持つ日系企業の数は約1800社で、ヨーロッパでは日系企業数2位のイギリスの900社を大きく引き離しており、現地の日本人の就職率に大きな影響力を持ちます。
在独日系企業の会社としての役割はいくつかあり、規模や業種、現地進出してからの年次によって異なります。企業規模が大きくなれば、その分現地に同化し、その分採用方式や社内のコミュニケーションも現地流が浸透していき、逆に企業規模が小さく、社内の意思決定が日本人駐在員や本社指示によって行われる場合、公用語は英語や日本語に偏りがちです。
従業員規模 | 拠点の役割 | 社内で使われやすい言語 | 企業文化 |
---|---|---|---|
10人未満 | 販売拠点 | 英語・日本語 | 日本流 |
300人未満 | 販売拠点、統括拠点 | 英語・日本語 | 日本-ドイツ混合 |
300人以上 | 販売拠点、統括拠点、生産拠点 | 英語・ドイツ語 | ドイツ流 |
ドイツ語が使えれば、ドイツ企業への営業や折衝の仕事を割り振られることがありますが、ターゲットがドイツ以外の国であれば、ドイツ語を必ずしも話す必要がありません。実際に多くの日系企業が、ドイツに「欧州統括本社」を構えており、ドイツの拠点からスウェーデンやスペインといった近隣諸国に営業部隊を送り込むやり方を採っています。
部署が丸ごとドイツ人でドイツ語でのコミュニケーションが必須、ドイツの企業との折衝が主たる業務、といった場合にはドイツ語が重要視される比重が増しますが、日系企業においては上記の表のように、ドイツ語よりも英語が重宝されがちで、ドイツ語を話さない日本人にとって貴重な就職先として挙げられます。
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スタートアップ・ベンチャー企業
日本人おススメ度・・・★
学生による立ち上げ、ジョイントベンチャー、外国資本による登記など、形式はいろいろと考えられますが、設立年度の浅く、社員も少数精鋭という「スタートアップ企業」では、設立者の年代も若く、国境を越えた優秀な人材を募るために英語のみでの採用をおこなっているところが多いことでしょう。 ドイツでは年間3000社近いスタートアップ企業が登記されており、世界でも有数の「スタートアップ人気国」として知られています。特に、ベルリンはスタートアップのメッカとしても知られ、世界各国の優秀な人材が集います(参照:Tagesshau)。
もっとも、スタートアップ企業特有の、雇用の不安定さ、ビジネスのスピード感、などは、我々日本人が国境を越えて就職する際に大きなリスクとなりえます。労働手続きの簡単なEU市民と異なり、ドイツで労働ビザを持たない、というデメリットを抱える日本人の受け皿はドイツと言えども決して多いとは言えません。
大都市の企業
日本人おススメ度・・・★★
スタートアップ企業に限らず、都市部に拠点を設けるドイツ企業の中には、英語での応募が可能な職種も多く見受けられます。大手企業の中にも、英語での折衝を必要とする業務、部署を英語人材で固めている業務(研究職などに多い)、貿易や輸出入に携わる業務、などは特にその比重が多い事でしょう。
大都市として有名なのは、ドイツの中でも人口上位で、外国人居住者の割合の高いベルリン、ハンブルグ、ミュンヘン、ケルン、デュッセルドルフ、フランクフルトと、その周辺地域などが挙げられます。 もっとも、「日本人がドイツで就職するのは難しいって本当? 」の記事で紹介した通り、応募可能とはいえ、ヨーロッパでの労働ビザを持たない日本人がこうしたポジションを勝ち取るのは簡単とは言えません。競争相手の中には、インドや中国のエンジニア、アメリカやイギリスの英語母語話者も含まれてくるわけで、単に英語が話せる、というわけでは就職は上手くいかないでしょう。
ドイツ語が話せなくてもドイツで生活できる?
さて、ドイツ語非話者にとって就職活動以外のもう一つの懸念点が、「ドイツ語が話せなくてドイツで日常生活が送れるかどうか」です。
世界的に見ても英語レベルの高いことで知られるドイツですが、世代間、都市間で異なる点に注意が必要で、必ずしもすべてのドイツ人が流暢な英語を話すわけではありません。例えば英語学習の専門機関であるEPIの調査によれば、ドイツの中でも旧東ドイツと旧西ドイツによって英語レベルが異なっており、旧東ドイツの英語レベルが東欧諸国と近い「標準」、旧西ドイツの英語レベルは「良い」と評価を受けています。 さて、こうした状況を鑑みたとき、ドイツ語を話さない日本人がドイツで暮らす際、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか?
行政・サービス
ドイツでは「住民届」や「ビザの申請」という諸お役所仕事が必要になるのですが、こうした業務が英語で可能か、ドイツ語のみでしかできないのかは、実は担当者や住む地域によって異なります。あくまで傾向として捉えると、中堅都市以上(人口30万人以上)であればドイツ語で手続きできる確率が格段にあがり、逆に人口5万人、10万人規模の小都市ですと英語のできない担当者の確率が高まります。
また、日本人のビザの手続きに不慣れか否かも、手続きの命運を分けるでしょう。日本大使館が拠点を構えている主要5大都市(ベルリン、ハンブルグ、フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ)に関しては、日本人の現地採用者の数も多く、担当者も慣れている可能性が高いと言えます。
あくまで傾向なので、確実ではありませんが、後述する日常生活の話と合わせ、都市部のほうが非ドイツ語話者にとっては無難であると言えるのではないでしょうか。
- 都市部であれば英語での行政手続きが可能なことが多い
- 逆に、田舎では運が悪いと英語の話せない担当者が現れる
日常生活
会話を必要とする日常生活全般においても、事情は上述の「行政・サービス」と同じです。すなわち、田舎よりも都市部のほうが英語を話せる店員に会う可能性が高く、非ドイツ語話者であっても不自由なく生活できる、ということを意味します。
例えば、我々の生活や健康に直結する、「美容院」「歯医者」「内科」あたりは、勝手の分からないドイツ語よりも、英語や意思疎通ができたほうが安心しやすいのではないでしょうか。日本人駐在員の多い都市(デュッセルドルフ等)では、病院や美容院も日本語で対応できるところがあり、ドイツに来たての現地採用者にとっても高い人気を博している就職先都市となっています。
- 都市部であれば英語でのサービスが享受できる
- 田舎では、英語が不得意な店員が多い
- デュッセルドルフでは、日本語でのサービスも可能
さて、このようにドイツといえども、就職・生活ともに実はドイツ語を話すことはマストではない、ということが分かります。勿論、現地の生活に溶け込んで、よりドイツ生活をエンジョイするためにはドイツ語を勉強することをお勧めしますが、ドイツ渡航時点ではドイツ語が話せない日本人も多く、就職後に語学学校などに通ってドイツ語を習得することも可能です。
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